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現在、日本で販売されているグルコサミンの種類で主流なのは「塩酸塩グルコサミン」です。少数ではありますが、なかには「硫酸塩グルコサミン」という種類のグルコサミンもあります。
実際、ヨーロッパの医療現場でよく使用され、また身体への効果も高いと言われているのは後者の「硫酸塩グルコサミン」なのですが、一体この2つにはどのような違いがあるのでしょうか。
何が「塩酸塩」と「硫酸塩」の違いを生み出すのか
このサイトでも何度となくご紹介していますが、グルコサミンは本来、ヒトの体内で生成されているものです。そして、この体内で生成されているグルコサミンには、実は種類などはありません。
しかし、サプリ等で体外からグルコサミンを摂ろうとすると、ちょっと話は違ってくるのです。
というのも、外部の「何か」からグルコサミンを抽出しようとすると、そこには「グルコサミンを抽出するための工程」が必要になりますよね。この工程がどのようにすすむかで、実はグルコサミンに「種類」ができてしまうわけなのです。
人間の体内で作られるグルコサミンの成分と最も近いと言われているのは、甲殻類(えびやかに)の殻から抽出できるグルコサミンです。
これはまず、エビ・カニが持っている「キチン」という成分を取り出して、塩酸で加水分解をします。こうしてできるのが「塩酸塩グルコサミン」です。
日本のグルコサミンサプリなどで、一番出回っているグルコサミンの種類のことです。
一方で、キチンなどからのグルコサミンの抽出を「硫酸」で行うと、「硫酸塩グルコサミン」が取り出せる、というわけなのですね。
ほかにも、塩酸塩・硫酸塩グルコサミンどちらのものよりも、体内への吸収率が良いと言われる「N-アセチルグルコサミン」というものは、キチンを酵素で分解したものになります。
塩酸塩グルコサミンと硫酸塩グルコサミンの身体への効果の違い
これまでにお伝えしたように、塩酸塩グルコサミンと硫酸塩グルコサミンは、その抽出工程から種類に違いができるのですが、では、この違いは一体どこで何が違ってくるのでしょうか?
純度の高さが違ってくる
塩酸塩グルコサミンと、硫酸塩グルコサミンでは、塩酸塩グルコサミン、つまり、日本の市場で1番出回っているグルコサミンの種類の方が、純度は高いことが判っています。
それぞれのグルコサミンの「分子量」の違い
純度は塩酸塩グルコサミンの方が高いのですが、それぞれの分子量の大きさを比べると、分子量は塩酸塩の方が小さいことがわかっています。
身体の組織への利用率
硫酸塩~と塩酸塩~では、体内でのグルコサミンの利用率は塩酸塩~の方が高いことが言われています。つまり、関節や肌への利用率を考えると、塩酸塩~の方が「よく効く」といえるわけです。
これら3つの点を考えると、海外で人気が高く、医療データも出ている硫酸塩グルコサミンより、国内で多く販売されている塩酸塩グルコサミンの方が、実は効果が高いのでは?と思われます。
ただ、日本を含め海外においても、まだ塩酸塩グルコサミンを医療用に使用して取ったデータや研究が多くないのです。
しかし、硫酸塩グルコサミンについては、変形性膝関節症に効果があるというデータが多く出されているので、その硫酸塩グルコサミンよりも「純度が高く、分子量も小さいため吸収されやすく、しかも組織への利用率が高い」塩酸塩グルコサミンは、少なくとも身体に悪影響を出すことはないだろうということは言えますね。
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