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養育費の算定というのは、離婚する際の夫婦の収入によって決まることが多いのですが、それでも収入が多いからと言って、莫大な額を請求できたりするわけではありません。

なぜなら、本当に「子どもに必要な額」を算定するのが通常だからです。

芸能人の離婚では、その莫大な額の養育費が話題になりますが、一般的にはそのような非常識な額が養育費になることは少ないと言えるでしょう。

現代の養育費の平均は…?

冒頭で、養育費の算定は夫婦の収入によって決まると書きましたが、それでも、おおよその目安と言うのがあるのが養育費です。(ちなみに慰謝料となると、その夫婦によって事情が全く異なるため、安易に平均を出すことが難しいとされます)

現代社会における養育費の平均は約4万円。

現代では、幼稚園から大学卒業まで子どもを育てると、その学校がすべて公立であっても、一人およそ3000万円はかかると言われています。(これには学費だけでなく、生活費が含まれています)

通う学校が私立であれば、この額はもっと高くなることは明らかですよね。

また、この養育にかかる費用ですが、子どもの数別にみてみると、平均の月額は司法統計で以下のように出されています。

子どもの数 1人 2人 3人
母子家庭の場合 35,438円 50,331円 54,357円
父子家庭の場合 28,125円 31,200円 46,667円

こうした統計と合わせてみると、現代の母子または父子家庭に支払われる養育費と言うのは、母子家庭に対しては月額平均4万3000円、父子家庭へは月額平均約3万2000円ということが数値として妥当と言うことがわかりますね。

子どもの年齢が上がれば、当然養育費も多くかかる

現代日本においては、離婚時、親権を母親が取ることが多く、監護者(実際に子を育てる人)となるのも母親という場合が圧倒的に多くなります。

そのため、日本では父親が養育費の支払い者になっているケースが大半なのですが、この「父親が支払っている養育費」の全年齢平均を取ると、月額2万円~4万円と言う額が最も多い割合となっています。

次点は月額1万円~2万円以下という割合なので、養育費を支払っている父親の90%近くは、月額4万円以下の養育費の負担になっているという事実があります。

しかも、養育費の額は年齢と相関するところがあるので、子どもが0~5歳までの場合、養育費が月6万円以上という家庭は全体の2%に過ぎませんが、子どもが15歳以上になると、この割合も10%を超えてくるようになります。

養育費支払いの悲しい現実

このサイトでは養育費をもらうのはあくまで「子どもの権利」であり、また子どもが健やかな成長をするために「当然の権利」でもあると書いています。

しかしながら、実際に養育費を受け取れている家庭というのは、母子家庭の場合、全体の19.7%しか存在しないというデータもあります。

しかも父子家庭においては、別れた妻からの養育費の受け取りをしているのは何と4.1%に過ぎないのです。

これは、相手の経済状況もさることながら、別れた相手と継続して関係をもちたくないという心理から、養育費を取り決めていないケースが多いためと言われていますが、中には取り決めをしても払っていないケースもあります。

いずれにせよ、養育費を受けるのは子どもの権利であるので、片方の親が不在でも、子どもに経済的な不自由は決してさせないという状況でないのであれば、養育費はきちんともらってやるのが、子どもを離婚に巻き込んだ親として、当然の行動であることは忘れてはいけません。

ちなみに、養育費に関する相談は、厚生労働省が設置している「養育費相談支援センター」という機関があるので、なにか心配なことがあれば、そういった機関を利用するのも良いでしょう。