この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。
がん治療については、それが体のどこの部位にできたものであっても、患者としては大きな不安を抱えての闘病が余儀なくされます。
そんな闘病生活をまさに二人三脚で歩むのが、実際に治療に関わってくれる医師や看護師です。
こうした、長くなるであろう治療生活において、治療に関係する医療従事者とどうも合わなかったりとか、うまく意思疏通ができないと、治療以外の部分でストレスが重なって、順調に回復するものもできなくなってしまいます。
では、出来るだけ自分の意志に沿った治療が受けられるようにするには、医療従事者とはどのように付き合っていけば良いのでしょうか?
がん治療を行う「医療施設」や「スタッフ」選びがとても重要
がん治療と言うのは、冒頭にも述べたように、長期の治療を余儀なくされます。また、通院したり入院したりする施設や医師によって「出来る治療」と「出来ない治療」がでてきます。
これは、施設的に準備を兼ね備えていないからこちらの希望する治療が出来ない「ハード面で不可能」という場合と、医師の治療方針(もしくはポリシー)と異なるからできない「ソフト面で不可能」という場合があります。
ハード面で臨む治療が受けられないというのは、病院の施設情報などを情報収集すれば、比較的簡単にわかりますが、ソフト面でこちらが希望する治療が受けられるかどうかは、医師と充分な話し合いをしなければなかなかわかりません。
ソフト面で自分の希望に添った治療が受けられるかどうかを知りたいときは、自分が治療を受けようとしている医師の治療を既に受けたことがある人などの、実際の口コミを集めるのが有力です。
他には、インフォームド・コンセントという、治療方針などについて、医師や看護師と話し合う場で、しっかりと自分の希望を伝えたり、相手の方針を聞いたりすることが大切です。
納得をしたうえで治療を受けることができるならば、当初の希望が変更することになっても、お互いの間で禍根を残したり、後悔をすることはなくなるでしょう。
しかし、がん治療に精通した「患者」というのは少ないですよね。誰しも自分が初めてその治療を受けることになった時は、何も知らない時の方が多いのです。
そうした時に、どんな医師を選ぶのが最適なのかは難しいと思います。現在、日本の医療界では、がんの治療において「認定医」制度を設けています。
これは、「日本がん治療認定医機構」という団体が用意した試験に合格した医師を「がん治療認定医」としているのですが、5年ごとにその資格は更新されていますし、がん治療における医師を探す時の、一つの基準にはなるかと思います。
患者の気持ちと希望を聞いてもらうには?
今の日本では徐々に病気の治療について「患者と医師・看護師」は二人三脚という感覚が芽生えてきていますが、まだまだ医師のプライドは高く、患者は自分の病気に無知なまま、という状態が大半だと思います。
確かに、人体にメスを入れることができ、医師になるために相当の勉強をしてきており、さらに日進月歩の医療についていくために日々勉強している医師がそれなりにプライドが高いのは仕方がないことです。また、人の命を預かる仕事ですので、そうあって欲しいのもありますよね。
ただ、がんという、患者側にとってはとても大きな試練であることについて、医師や看護師が「病をみて人をみず」な状態では、患者側としては治療にストレスが溜まります。
患者も、自分が受ける治療について、しっかりと理解をする必要がありますし、医療者側としては、医療の素人である患者に、治療内容について「わかりやすく」説明をする義務があるのです。
しかし、患者側は、医師の機嫌を損ねては困る…と実は聞きたい質問も聞けずにいたり、抱えた不安を吐露できずにいたりします。
これは治療を進めるにあたってとても不利な状態です。もし治療について質問や不安がある時は、家族や第三者にまずは話を聞いてもらい、質問したい内容を整理したうえで医師や看護師に聞いてみましょう。
どちらかと言うと、医療者に対しては医師に先に言うよりは、看護師に聞いてみた方が優しく説明をしてくれることの方が多いようです。
さらに、看護師に対して「受けている治療について不明なことがあって不安だ」ということを伝えれば、そのことを受けて、担当医と担当看護師による話し合いの場=インフォームド・コンセントをもってくれることも多いですよ。
患者と医師・看護師という立場の違いはあっても、根っこは同じ人間です。対話なくして人間同士の信頼関係は築かれません。
ですので、対話をもってしても、治療方針に関して納得がいかない時は、それは医師や病院を変更する必要があるでしょうし、そもそも対話の場を設けてくれない病院や医師・看護師であるならば、がんという大きな壁を乗り越えるにあたって、相応しい医療機関とはいえないので、他を探すことをしてみた方が良いでしょう。
以下に、医療者とスムーズな関係を築く対話のポイントを挙げておきます。
- 困っていることやわからないことは素直に聞いてみましょう。
- 対話の場では自分の気持ちや考えを伝えやすくするようにメモを用意しましょう
- 診察の時はできるだけ信頼できる家族や友人に付き添ってもらいましょう
- 医師になかなか話せない時は、担当の看護師やがん相談センターをうまく利用しましょう
こんな記事も読まれています