この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。
がんが発生する仕組みはどうなっているのでしょうか?
日本人の2人に1人はがんになり、日本人の死因の第一を占めるががんです。
しかし、そのがんはどこからやってくるのでしょうか? がんについては謎に包まれていることが多かったわけですが、近年になり、がんを発生させる仕組みが大分明らかになってきました。
この記事ではがんが発生する仕組みを解説したいと思います。
がん発生のメカニズムは分裂にある
人間の体の中では絶えず細胞が分裂しています。分裂をすることで新しい細胞をつくり、古い細胞は外に排出させるのです。この分裂を細胞分裂といいます。
例えば、垢などは、新しい細胞が生まれたことによってできた不必要な古い皮膚細胞です。
人間の体には60兆個の細胞がありますが、それらが常に分裂を繰り返していて、90日~120日すると全身の細胞が新しい細胞に代わるといわれています。
細胞分裂で細胞を増やす時には、細胞の核を分裂させます。核が分裂する際に、DNAも分裂させるのですが、そのDNAが分裂をする時に正常に分裂されないことがあります。DNAに傷がついてしまうのです。
普通はDNAに傷がついても遺伝子の修復機能によって元に戻ります。
しかし、修復機能が弱まっていると元に戻らずにずっとそのまま傷ついたDNAの細胞が生き残ります。
これががんの原因です。傷ついてがんになってしまった細胞が元に戻ることはありません。一度一定以上の数の細胞ががん細胞になってしまうと、増殖を繰り返して体中に広がっていきます。
がん発生の原因
前述したようにがんは、細胞分裂の際にDNAが傷ついてしまうことで起こります。しかし、何故傷つくのでしょうか?
因子はいくつかあります。
科学的因子とは科学物質がDNAを傷つけることです。アスベスト、タール、たばこに含まれている有害物質などがあります。
ちなみにこの科学的な因子を初めて発見したのは日本人の研究者です。うさぎの耳にタールを毎日塗ると、がんになることを発見しました。
放射性物質や紫外線などは物理的な因子です。実際、広島の原爆投下やチェルノブイリ事故の被爆者に、がんが多発しています。
元々人間の体には、がん遺伝子があります。しかし、これは通常では危険なものではありません。
このがん遺伝子が増殖をする際に、異常な形の遺伝子として増殖してしまうことがあります。
この異常な形のがん遺伝子ががんの要因となるのです。このがん遺伝子を抑えるがん抑制遺伝子もあります。その抑制遺伝子の力が弱まった時に、がん遺伝子の力が優位になり、がんが広がります。
こんな記事も読まれています