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一口に「首こり」と言っても、症状や原因は様々です。どの症状や原因にも同じように対処をしていては、治る首こりも長引いたりします。
こちらの記事でも首こりの原因について紹介しましたが、今回は首こりの原因をさらに掘り下げて考えて、首こりと神経症状などについてみていきたいと思います。
首こりの原因にはどんなものがあるの?
このサイトの別ページでも主な首こりの原因については既にご紹介しているのですが、今回はその原因について、もう少し掘り下げて考えてみたいと思います。
首こりの原因を多面的に見てみると、そこには
- 解剖学的見地から考えた原因
- 神経生理学的見地から考えた原因
- 心理学的見地から考えた原因
と大きく3つに分かれることがわかります。
首こりが慢性的に続いてしまうのは、上記に挙げた3つの原因が複雑に絡み合った結果なので、どれか一つだけによって首こりは起こっているわけではありません。
しかし、3つの見地のいずれの原因が一番大きな割合を占めているかは、個人によって異なります。この辺りが首こりが「慢性化」してしまうゆえんでもあるわけです。
誰にも万能に効く解消法が既に存在しているのであれば、首こりに長く悩まされる人は存在しないはずなのですね。
しかし個人個人で解消法を丁寧に見ていく必要があるからこそ、首こりが慢性化してしまうのです。
また、3つのうち、どの原因から首こりがスタートするかによっても、解消法や原因の除去法が異なってくるので、その辺りも要注意と言うわけです。
解剖学的なトラブルが首こりを引き起こす場合
- 物理的な原因(姿勢が悪いとか長時間PC作業をしたとか)から首や肩周辺の筋肉が疲労
- 首回りの筋肉のコリが原因で神経を圧迫。頭痛を招く
- 首こりのストレスや痛みによって首こりが自律神経を乱すようになる
- 全身の緊張状態が高まったまま継続される
- 身体がなかなか休まらない
- 精神も休息がとりづらい状態になる
- マッサージを受けるもすぐにぶり返す
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神経生理学的なトラブルが端緒の場合
- 体質として天気や気圧で体調に変化が起きやすい
- 天候によって自律神経が乱れる→交感神経優位の状態になり心身が緊張しやすくなる
- 緊張によりイライラや片頭痛が起こる
- 身体の不調が全身の緊張や筋肉の硬直を引き起こす
- 首こりが発生
- 首こりの痛みでさらに自律神経のバランスを崩す
- 心身の緊張状態が強くなる…と続きます
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心理学的なトラブルから始まる場合
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自律神経失調症と首こり
首こりや肩こりというのは、それそのものが命を脅かすものではないために、病気として捉えられることは少ないですし、痛みを感じる本人自身もついつい「たかが首こり」という意識を払しょくしきれないでいることが多くあります。
しかし、ここまでにご紹介してきたように、首こりが慢性化してしまうと、身体的な生活の質はもちろん、精神的な生活の質も明らかに低下してきてしまいます。
また一般的には肩こりと首こりは一括りにして考えられがちなのですが、実は首こりの方が、生活の質を低下させてしまう度合いは強いと言われています。
それは首こりの方が神経症状が強くでるためとされています。事実、首こりを持つ人は自律神経失調症を発症させてしまう人が多く、逆に自律神経失調症の人は首こりを自覚している人が多いということからも首こりによる神経症状への影響はわかります。
首こりと自律神経失調症の関係については、歴史あるイギリスの医学雑誌JRSMにも論文として発表されています。
首には交感神経の中継地点があるために、首周辺の筋肉が硬くなり、血流が悪化すると、交感神経にも大きな影響を及ぼすようになってしまうのですね。
首こりが慢性化してしまっている人は、たかが…と思うことをやめて、しっかりコリを見直すようにしましょうね。
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