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多発性骨髄腫とは血液のがんである白血病の類縁の病気です。
白血病は子どもに多いですが、多発性骨髄腫は大人に多く65歳~70歳がピークになります。
性別でみると女性より男性が多く、全体の60%を占めます。
アジアでの発症率は10万あたり2人程度と非常に低く珍しい病気であるといえます。
しかし、数が少ないから警戒する必要がないというわけではなく、数が少ない分研究が進んでいないので治療の進歩が遅いという欠点があります。
まだ完治をする方法が見つかっていないというのが現状です。
この記事では、多発性骨髄腫について解説いたします。
多発性骨髄腫について
多発性骨髄腫とは骨髄の中で骨髄腫細胞というがん細胞が増える病気です。
骨髄の中にある血液中の細胞の元になる造血幹細胞というものから生まれたBリンパ球が何らかの理由によってがん細胞になったものが骨髄腫細胞です。
顕微鏡でこの病気の患者の骨髄を見ると、健康な人には見られない丸い細胞が見えます。
これが骨髄腫細胞です。
この骨髄腫細胞は骨髄で増えて、まわりの骨に広がっていきます。
このような広がりが全身の骨髄で起こるので多発性の骨髄腫と呼ばれています。
しかし原因は明らかにされていません。科学物質の影響であるとはされているのですが、実験で確かめられたというデータはまだないのが現状です。
多発性骨髄種の症状は?
骨髄腫の症状は多様です。骨髄自体が体中にあります。
この全身の骨髄に多発性骨髄腫が起こることもあれば、体の一箇所だけで集中的に起こることもあります。
- 血液が造れなくなる
- 骨が脆くなる
- 原因不明の痛み
- 腎障害
血液を作るところに関係する病気なので血液が作りにくくなります。
赤血球、白血球、血小板などが作れなくなると、貧血になって立ちくらみや疲労感を感じやすくなります。
また、免疫力が低下するために感染症にかかりやすくなってしまいます。
多発性骨髄腫は骨にできる病気なので多くの患者に骨の異常がでてきます。
がん細胞が骨の中に浸透すると骨が痛むようになり、さらに病気が進行すると骨が溶けます。
骨が溶けると脆くなるので骨折などをしやすくなったり、溶けたカルシウム分が血液に流れこみ別の障害の原因にもなります。
骨髄腫になると骨が痛むようになりますが、原因が分からないことがあるのです。
体を動かすと痛みますが、夜になると痛みがひくことが特徴的です。
患者の30%は腎障害を経験します。血液中に溶けたカルシウムが悪影響を及ぼすからです。
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