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ダウン症の特徴については、その顔と表情に誰もが思い当たるはずです。両目がちょっと吊り上がり、特徴的な微笑みを浮かべたあの顔です。
いつでもニコニコ笑顔で写真に写る彼らは、病気や障害ではありません。
他の人とちょっとだけ違った特質を備えた人たちなのです。

ダウン症は人種や地域を問わずに現れる特性で、発症する確率にも地域性は見られません。
生まれてから幼児期は、知能の発達に若干遅れが目立ちます。
その後も成長のペースが緩やかですが、肉体的には充分に成長して成人を迎えます。

ダウン症の身体的特徴

身体的にいくつか共通する特性があるので、その内主なものを紹介してみます。

  • 全身の筋肉に低緊張傾向が見られ、運動能力の発達不足や平衡感覚の未発達が現れます。筋肉の発達もやや不 足気味というデータもあります。
  • 心臓に障害を持つ可能性が高く、全体の30~40%が心臓疾患というデータもあります。更にその内の数% は、手術が必要な重度の疾患の危険性があります。
  • 視力の異常が多く見られ、特に眼球内の屈折異常から近視・遠視・乱視を併発するケースもあります。
  • 中耳炎など耳の病気を発症しやすく、難聴が言語能力の発達を阻害する要因にもなります。

ただしいずれもダウン症に特に多く見られる疾患ではなく、ダウン症だから掛かり易い病気でもありません。

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ダウン症の精神的特徴

精神面における特性の内、主なものは以下の通りです。

  • コミュニケーションをとるシーンで、頑固だと理解される事が多いようです。これは精神的な頑なさの現れで はなく、相手との言語面・感情面での行き違いから生じるものと考えられます。
  • 耳で聞いて理解する能力がやや弱く、落ち着いて話を聞くのは苦手なようです。
  • 感受性が強く、思いやりや優しさがあります。また想像力も豊かです。
  • やりたい事を言葉で表現するより、すぐ行動に移す傾向があります。

ダウン症にも特性の程度には個人差があり、ほとんど目立たない人から、肉体的奇形、言語障害などの症状が出たり、病的な疾患を伴う人もいます。

ここまで見てきたように、ダウン症の特徴とは特殊ではなく、一般的にも発現しうる症状である事が分かります。
病気や障害といった偏見を持たず、ダウン症は個人の特質の一形態と考えればいいのではないでしょうか。