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社会一般では、ダウン症の人は障がい者として認知されています。しかし、いざダウン症の人やその家族と接するシーンに出会ってみると、どうやって応対したらいいのか迷うでしょう。

ハンディには気付かない態度を装って、ごく普通に接するべきか、それとも障がい者に対するように接するべきなのか。

ダウン症の人は頑固?

実際にダウン症の人が身近にいる人たちの意見を聞いてみると、一般の人に対するやり方で接するのは、相手にとっても自分にとっても良くないようです。

症状によっても違いはありますが、ダウン症の人には自分の中に強いこだわりを持つケースが多く、そのこだわりに踏み入られるような行為に対して、激しい拒絶反応を示す事があるそうです。
よくダウン症の人は頑固だ、と誤解される要因はこのこだわりにあるようです。

しかし周囲の人からすれば、ダウン症の人の持つこだわりの中身までは分かりません。他人の心など覗けるはずがないから当然です。
そのこだわりに触れてしまう事を恐れていると、自然とダウン症の人との距離は離れてしまいます。
日常的に接する機会がある人にとっては、そのままにはできません。

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学校や職場での接し方

同級生や同僚にダウン症の人がいる場合は、相手がダウン症である事をまず認識して、時間をかけて相手の個性を理解する必要があります。そこで無理する事はありません。
まずは相手を理解してあげて、相手が持っているこだわりを徐々に見極めて、柔軟に接する方法を見つけましょう。

ダウン症の人は、言葉のやりとりで意思の疎通を図る事が苦手だと言われています。特に抽象的な表現は理解が難しいようで、物事を分かり易く具体的に伝える努力は必要です。

例えて言うと、お年寄りに何かを伝える場合を参考にするといいかもしれません。ゆっくりと、分かり易い言葉で、ジェスチャーを交えて伝えるわけです。分かってもらえない部分は、繰り返して伝えてみます。

根気のいる行為ですが、ダウン症の人にとっては、自分を尊重してくれている事が伝わります。理解の速度や伝わり方が違うだけで、周囲の人たちの心は充分伝わります。

ダウン症の子供との接し方

ダウン症の子供がいる場合は、その家族との接し方にも注意が必要です。
加減が難しいところですが、全く気付かない態度を装われるのも、完全に障がい者扱いで気の毒がられるのも、家族にとってはいい気分ではないようです。

また、発育に関する話題は完全にタブーです。やはりこのケースでも、相手の事を理解している事をさりげなく伝えて、実際よりも小さい子供を相手にする心構えで接するのがいいでしょう。

ダウン症とは障害ではなく個性だ、という考えからすると、周囲の人たちが一方的に気を遣うのではなく、相手を理解しながらふんわりと周りから包んであげるような接し方、上手く言葉にはできませんが、そんな柔軟な接し方が求められるのではないでしょうか。