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がんの痛みは体の痛みだけではありません。心に起こる、感情的な苦痛もあるのです。その原因は様々ですが、心の苦痛が積み重なった結果うつ病などの精神病になってしまう人もいます。
がんによって起こる感情な苦痛はどのようなものがあるのでしょうか? またその原因はどのようなものがあるでしょうか?
がん患者の抑うつなどの心理的症状とは?
がん患者になると、気分が落ち込んだり不安になったりする抑うつという症状が現れることがあります。
この抑うつになってしまうと、治療をしようとする意欲がなくなったり、判断能力が低下します。
そのために、治療における適切な判断ができなくなってしまうケースも多くあります。
また抑うつ状態になると、体力や食欲の低下、不眠、といった症状がでます。体力が低下したり不眠状態になると余計に抑うつ状態を悪化させることになり、悪循環に陥ってしまいます。
さらに、がん患者だけではなくがん患者の家族も抑うつ状態になることがあるので注意が必要です。
がん患者の感情的な苦痛の原因
がん患者の感情的な苦痛の原因は複数あります。
一つには死への恐怖です。
がん治療の技術が現代では大分進みました。
しかし、まだ完全に有効な治療法が確立されていないことも事実です。
特に体中に転移した末期がんは、手術することすら不可能になることもあります。
がんには常に死の可能性が付き纏っています。ですから、死への恐怖が精神を苦しめるのです。
また社会的な役割を失うことに対する感情的な苦痛もあります。
例えば、がんになったことで仕事を辞めざるを得なくなった場合などです。
仕事をすることで社会の中での自分の役割を見出していた人は、仕事をやめることより「自分は社会の役に立てない人間なんだ」という思いに苦しめられます。
また、母親として子どもの世話ができなくなることよる苦痛なども存在します。
他には、経済的な負担による苦痛もよくあります。がん治療にはお金がかかります。
手術費用、入院費用、薬の費用、などの高額が支出があるので経済的な不安から精神が苦しめられるのです。
感情的な苦痛に対する治療法は?
このような心の苦痛に対する治療はいくつかあります。
一つには痛みの緩和療法です。痛みを緩和することにより、痛みに対する恐怖がなくなったり、働けるようになったりして精神的に楽になります。
また、うつ状態がひどい場合は、抗不安薬やSSRIなどの精神的な薬が処方されることもあります。
いくつかの治療法を上手に活用して、自分が辛くならないように感情のコントロールを同時にしていくことはがん治療には大変重要になります。
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