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これまでにも、自閉症には様々な投薬治療が行われています。

そして、自閉症に対しては現在も多くの治療法が研究がされており、薬もそうですが、有効な行動療法なども研究が続けられています。

このような研究のなかで、近年、また新しい自閉症治療の方法が生み出されそうです。

それは一体どのような方法なのでしょうか?

自閉症の特徴である「対人コミュニケーション」が改善する?

自閉症スペクトラム障害は、対人コミュニケーションについて困難を示すことがその特徴の1つとされています。

一般人口でいうと100人に1人程度の割合で認めることができる代表的な発達障害と言えます。

自閉症の原因は今も明確には解明されていません。

そして治療法も「すべてに対してこれで良い」というような万能薬や万能療法は確立されていないのが現状です。

さらに自閉症はスペクトラムというだけあり、知能的に高い知能を有していても、自閉症に罹患していることがあります。

高い知能を持つ人はその知能ゆえに自閉症に気付かれず社会に出てから、社会生活に適応できず困難に陥る人も少なくありません。

こうした自閉症スペクトラムにおける対人コミュニケーション困難を生み出すのは、内側前頭前野と呼ばれる脳の部位が活動低下をしているからというのは研究によって明らかになってきました。

この脳の部位の機能低下がわかったことによって、この部位の活性化を促す治療法が研究され、近年、オキシトシンというホルモンの1種を点鼻することで内側前頭前野が活性することが確認されてきました。

この方法が製剤化され、一般化すれば、自閉症スペクトラムによって対人関係に悩んでいた人が「オキシトシン点鼻薬」によって救われる日も遠くはありません。

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オキシトシンとはどんなホルモン?

オキシトシンというのは、もともと人体に存在しているホルモンの1つです。

オキシトシンは脳の視床下部内で合成されるホルモンの1種で、2つの経路を持ち、2つの働き方をします。

オキシトシンの重要な働きには、女性に大変かかわりの深いものがあります。

それは出産時における働きです。

オキシトシンは出産時、分娩において子宮筋を収縮させる働きがあります。

他にも、産後、授乳時には乳管平滑筋を収縮させ、母乳の分泌を促進させる働きがあるのです。

母乳の分泌に関しては、子どもと触れ合うことでオキシトシンの分泌が促されるとも言われています。

オキシトシンの働きのもう1つは、脳内で神経伝達物質として働くということです。

そしてこの脳内での神経伝達こそが、今注目されているオキシトシンの働きの1つなのです。

オキシトシンはどんな働きをする?

これまでなされてきたオキシトシンを使った研究などで、このホルモンはネズミや羊などにおいては、分娩後に母性行動を発現させることに役立つとわかっています。

あるネズミの1種においては、オキシトシンがネズミカップルのペアを安定した「関係性」のままに維持させることに役立ち、そのことで共に子育てしていくようになることがわかっているのです。

ヒトにおいては「他者への信頼」や「共感性」、「寛大さ」が増すなどと言う研究報告がされています。

こうした研究によって、オキシトシンが自閉症の対人コミュニケーション改善に効果があるのではと期待がされていますが、このことだけで言うと、同じ脳の視床下部で合成されるペプチドホルモン(バソプレッシン)も注目をされています。