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自閉症は「脳」に障碍があることで起きるので、予防と言えば母親が妊娠中にできること、といえます。

しかし、自閉症ではなくても、保護者の愛情がなかったり、特殊すぎる状況で育ったりすると、人間は自閉症様の症状を見せるようになります。

このような後天的な原因が関係する発達不全を予防することはできるのでしょうか。

また、自閉症要因をもって生まれた子も、症状が重くなりすぎないようにすることができるかもせいれません。

生まれた直後から始まるコミュニケーション

最近では病院によって、安全性を考えて控えるところもありますが、ケアがしっかりされている病院などで勧められる産後の触れ合いに「カンガルーケア」というものがあります。

これは出産直後に、赤ちゃんを母親の胸の上に乗せて、お互いのぬくもりであったり、存在であったりを認識することに役立つと言われています。

また、鳥は孵化後に初めて見たものを「母」とする習性がありますが、人間にもこの「刷り込み」の習性があって、産後、赤ちゃんが覚醒している時間では、赤ちゃんは母の顔や声、肌のぬくもりなどを統合して、母を自分のなかの記憶に刷り込むのだと言われています。

つまり、産後のカンガルーケアや、ケアができなくても、その後の母子同床は、赤ちゃんと母親の双方にとって、「動物としてのコミュニケーション」を始める大切な時間と言えるのです。

そして、赤ちゃんに必要なタッチングとして、生まれてから後の「抱いてあやす」行為あります。

そもそも、赤ちゃんを抱くという行為は、母にも子にもとても大事な触れ合いで、母は子と触れ合うことでオキシトシンというホルモンが分泌され、母乳が出やすくなります。

一方で子どもは、母に抱かれることで、無意識のなかでの絶対的な安心感を得ることができるのです。

また、自閉症の子と言うのは、外界の刺激を強く感じすぎてしまう傾向があります。

ですから、母親に抱かれて安心感を与えると同時に、明るすぎない証明の下で、生後数日は過ごした方が、気持ちが落ち着きやすいということです。

さらに、蛍光灯の灯かりは、自閉症の人が苦手とする場合が多いということです。

また、赤ちゃんはお腹の中では暗いのが当たり前だったわけですから、生後すぐ~数日の間は、できれば蛍光灯が煌々と点いている環境は避けた方が無難でしょう。

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要因を持っていても、発症を抑えることができるかもしれない

例えば、何もサポートをしなければ、同じように重度のコミュニケーション力不足になってしまう自閉症の子どもでも、年齢に応じたサポートや養育をすることで、その症状の重さなどは格段に違ってきます。

ですので、たとえ自閉症要因をもって生まれてきた子どもであっても、親がその子の在る環境を、生まれた時から過ごしやすいものにしていけば、そうした子は自閉症の症状の重さを少しは抑えることが可能かもしれません。

母子の自然な触れ合いや、出産時の照明など、昔は当たり前のようにされていたことが、便利な現代ではおざなりにされていることも多いのです。

しかし、昔の知恵を取り入れることで、私たちは自閉症だけでなく、その他の様々なコミュニケーション不全などを解消することができるかもしれないのです。

喫煙は絶対にやめましょう

ちなみになのですが、妊娠中の女性が喫煙をすると、生まれた赤ちゃんが乳幼児突然死症候群になる確率が格段に上がってしまいますし、さらに自閉症を患う確率も上がります。

妊娠中の喫煙、そして妊婦がいる家庭の人の喫煙は絶対にやめてくださいね。