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咳の出方などが気になって病院の診察を受ける時、肺がんの検査を…と言われたらとってもびっくりしますよね。

そもそも肺がんの検査って言われても、一体何をどうするのか、詳しく知っている人は少ないと思います。

今回は肺がん検査で用いられる検査についてご紹介します。

がん検査に用いられる基本的な方法

がんの検査と言うのは、肺がんでなくても「一般的に」用いられる検査方法というのがあります。

それは…

  • レントゲン
  • MRI
  • CT
  • PET

といった方法については、肺がんの検査でなくとも他のがんの検査でも用いられる検査です。ほかには「骨シンチグラフィ」という方法もがん検査の方法として用いられる方法でよくある方法ですね。

ただ、上に挙げた方法でも、肺がんを探すとなると、レントゲンは造影レントゲンを用いたり、CTは胸部CTになったりと、患部がどこかによって少しずつ違いはあります。

ちなみに、先に述べた「骨シンチグラフィ」というのはアイソトープ、つまり放射性同位元素を使用して行う検査のことです。

微量の放射線を使って行う検査で、名前の通り骨の検査になります。

テクネシウムという元素を付着させたリン酸化合物を体内に注射し、3時間ほど待ってから、体内に残ったアイソトープを映し出します。

注射以外にも、この「映し出す」作業がちょっとしんどいという人が多いようです。

そしてこの骨シンチグラフィは転移を見つけたりするのに有効(それだけではないのですが)と言われる方法なので、肺がん単独の検査とは言い難いかもしれません。

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肺がんを探すには?

残念ながら肺がんが疑われるという時、よりピンポイントに肺がんを探す検査方法というのも存在します。

以下に挙げる方法は、肺がんだけに特化した方法ばかりではなく、「よりピンポイントに患部のがんを探す」ことができるものもあります。

組織診
先述していたレントゲンやCTなどの画像診断は、外部からのアプローチでしたが、この組織診は「そこにがんがある」ということを確定診断するために用いられる検査です。

肺がんの最終判定を行うには、組織診と細胞診の2種類があり、この組織診では検査や手術で取った組織の一片をホルマリンで固定し、検査が出来る程度にスライスしたものを「ヘマトキシリン」と「エオシン」という色素を使って染色する方法です。この検査で染色された細胞の大きさや形、並び方などを総合的にみて肺がんの程度を判断します。

細胞診
組織診に対して細胞診は、自然に剥がれてきたり、または人工的に剥がしてきた、もしくは針などで吸引してきた細胞をアルコール固定してパパコロニー染色という手法を用いて顕微鏡をのぞき、判断する方法です。こちらは主に細胞の大きさや形から判断をします。

肺という臓器がそもそも気管支が細かく枝分かれしている組織で、かつ肋骨に囲まれているので、組織診はやりにくい臓器なのですが、一方でがん細胞が剥がれ落ちると、その細胞が痰に混じることがあるので、その際には細胞診がしやすくなるという特徴もあります。

細胞診の色々

上記で述べた細胞診を行うに当たってはいくつかの方法があるので、以下に紹介をします。

喀痰細胞診
剥がれ落ちて痰に混じった細胞を検出しようとする方法。専門のスクリーナーという技師がおり、熟練のスクリーナーになると判断がとても正確になります。
擦過細胞診
気管支鏡で気管支をのぞきながら病巣部位から直接ブラシで細胞を摂取する方法です。取られた細胞はすぐに直接スライドガラスに乗せられ、アルコール固定をして標本になります。
穿刺細胞診
がんの病巣が大変な末梢部にあるため、気管支鏡からのブラシが届く可能性が低い、また身体の外側からであれば病巣に安全に針が刺せそうな場合に行われます。
胸水細胞診
肺がんだけにある症状ではないのですが、病変が肋膜に進展すると2枚の肋膜の間に水がたまるということがあります。これががんを原因としたものであると、溜まった水(胸水)のなかにがん細胞が混じることが多いので、この胸水を抜いて細胞を調べます。