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すい臓がんは他のがんに比べると罹患率の低いがんです。
50歳以上の男性で人口10万人当たり10人程度しか罹患しません。年齢が上がるにつれて罹患率は上がりますが、そこを考慮に入れても罹患率は他のがんに比べて低い水準を保っています。
しかし、それは安心できることではありません。患者数の少ない病気ほど研究が進まず、治療法が確立されにくいのです。
例えばすい臓がんになる原因もはっきりわかっておらず、肥満になるような食生活を送っている人はすい臓がんのリスクが少し高いということが分かっている程度です。
今回はすい臓がんについて解説いたします。
そもそもすい臓の働きとは何か?
すい臓がんといってもすい臓とはそもそも何か知らない方も多いと思うのでその点についてまずは解説します。
- すい液の分泌
- ホルモン分泌
すい液という消化液を作り出し、すい菅と呼ばれる管に分泌して、十二指腸へ送り込みます。
すい臓はホルモンを分泌します。その中でも中心的なのはインスリンです。このインスリンは、血液中の血糖の濃度を調整する働きを持っています。
すい臓がんの症状は?
すい臓がんははっきりとした初期症状がありません。ですので、発見されにくく見過ごされがちです。
すい臓がんになると、胃のあたりや背中が苦しくなったり、お腹の調子が悪くなったり、食欲不振や体重減少が起こったりします。
これはすい液と呼ばれる消化液が減少することが原因です。
ただしこれらの症状は、すい臓がんではなくてもよく見られる症状なので見過ごされることが多いです。
すい臓がんが進行をすると、肌が黄色くなる黄疸が出たり、腹痛も強くなって、背中や腰に強い痛みが走るようになります。
インスリンが減少しますので糖尿病と併発することがあります。糖尿病になった人や、糖尿病の症状が重くなった人はすい臓がんを疑う必要がでてきます。
すい臓がんの5年生存率は?
すい臓がんの患者数は少ないですが、5年生存率は高くありません。各進行に合わせて5年生存率をみてみましょう。
- Ⅰ期 60%
- Ⅱ期 40%
- Ⅲ期 25%
- ⅳ期 20%
がんの大きさが2cm以下ですい臓にがんが留まっている場合です。
がんが転移していなく大きさが2cm以上ある、または、第1群のリンパ節に転移が留まっている場合です。
すい臓の外部へがんが少し出ていてリンパ節転移のない、もしくはがんが外部には出ていないがリンパ節転移が第2群まである状態。
がんがすい臓の周囲にまで及んでいる、もしくは遠隔転移をし、離れた臓器に転移がある状態。
このように進行するにつれて生存率は下がるので検診などで早期発見をするようにしましょう。
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