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自分自身ががんという病気と対峙しなければならなくなった時、または家族がその局面に立たされた時、私たちはその不安をどう解消していけば良いのでしょうか?

がんという病気そのものへの不安もさることながら、がんは金銭面でも家族関係でも、様々な方面への不安をもたらしてしまいます。

そうした苦しい気持ちを持ったままですと、真に闘病だけに向き合えませんよね。

今回は「がん」への不安を少しでも解消するための方法をご紹介します。

ホットラインを利用して相談する

がんというのは、現代において誰にでも罹ってしまう可能性のある病気として認知されていますし、実際に家系とは関係なくてもがんを発病してしまうことは珍しい事ではありません。

しかし、がん家系の人であれば、身近にがんに罹った人やがんを克服した人がいるために、自分ががんになっても情報の集め方や、サポート方法についても生の情報を集められる可能性は大きいかもしれませんね。

ただ、情報が集めやすいことと、自分の不安を解消できることはちょっと違います。

どんなに有効な情報が集められてもやはり闘病をする本人の不安は大きいです。

そうした不安を解消するには、「がん相談ホットライン」という電話を利用すると良いかもしれません。

この相談窓口は、がんという病気そのものへの相談や治療についての不安、質問、またがんになってからの生活関連の相談など、がんにまつわる様々な事柄に関して相談に乗ってくれます。

相談窓口で話を聞いてくれるのは社会福祉士や看護師。

内容に応じて医療に通じている人や、社会の仕組み・手続きに詳しい人と話ができます。

匿名で相談できるのも相談者にとっては安心な部分かもしれませんね。

電話代は相談者の負担になりますが、家族にも言えない不安を抱えている人は、まずその不安な気持ちだけでも、相談してみると心の重石が少し軽くなるかと思います。

ちなみに、がんホットラインに寄せられる相談には次のような項目が多いそうです。

  • 治療法としていくつかの方法を説明されたが、どれが良いか決定しがたい。
  • セカンドオピニオンについて担当医に言い出しにくい。
  • 手術を受けた方が良いと言われているが、費用が心配。
  • 担当医にじぶんのがんについてなかなか質問しづらい。
  • がんに効果があるという健康食品を試したいが、どうか。

もちろん、ホットラインの相談員の方は専門医ではないので、治療についての具体的な指示などはできませんが、相談員が看護師であれば、事情を汲んだうえで相談者の気持ちに沿えるお話ができると思います。

相談者も、話をするうちに、本当に自分が望んでいることがみえてくる場合が多いそうです。

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全国各地のがん連携拠点病院にあるサポート

各都道府県には、がんについてがん連携拠点病院というものがあります。

そこでは、がんに関する情報の提供や、相談に応じてくれたりします。

相談に応じてくれるのは、がん専門の相談員として研修を受けたスタッフです。

相談スタッフは、信頼のおける情報に基づいて、がんの治療・療養生活全般の質問や相談を受けてくれます。

これは、がん連携拠点病院となっている病院がかかりつけでなくても利用できますし、基本的に誰でも無料で利用することができます。

病院によっては、相談内容に応じて、専門医やがんに詳しい認定看護師・専門看護師、また薬剤師や栄養士などが対応できるような連携体制をもっている病院もあります。

ただ、患者側としては、自分のかかりつけの病院以外の施設で込み入った相談をしてしまったり、相談によってはかかりつけ病院の方針への疑問や不満を漏らしてしまうと、そのことがかかりつけ医に伝わってしまうのではないかと心配になりますよね。

ですが、この点に関しては情報保持はしっかりしているので、あなたの了承なくして、情報が第三者に伝わることはありませんから、安心して利用してくださいね。

もしがん連携拠点病院への相談などに行くのに勇気が要る…と思う時は、まずかかりつけ病院(現在治療をうけている病院)のメディカルワーカーなどに相談をしてみるのもがん相談の第一歩としては良いかもしれません。