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世界的な嫌煙・禁煙ムードが高まるなか、リアル煙草にも電子タバコにも、とにかく市場として大きなアメリカ合衆国の大手たばこメーカーが電子タバコの売り込みに本腰を入れ始めたというニュースが伝えられました。

その大手と言うのは「アルトリア・グループ」と「レイノルズ・アメリカン」。

この大手たばこメーカーは、電子タバコを合衆国全土で本格的に販売するようになって、なんとわずが数週間でコンビニにおける電子タバコの売り上げの約4分の1のシェアを獲得したのだとか。

今回は徐々に一般に広まる電子タバコ市場の最新状況をお伝えします。

リアル煙草の大きな販路はコンビニだけれど…

日本では昔ながらのタバコ店というのはどんどん減少しているので、タバコを買うというと「コンビニ」という人が多いですよね。

これはアメリカも同様で、リアル煙草を買うのはコンビニというのは消費者としては定着しているスタイルでした。

ゆえに、米国の大手たばこメーカーも、電子タバコにおける重要な販売拠点をコンビニとして、販売促進を進めてきていました。

しかし、本格的にコンビニ販売を始めてからの3年では、コンビニでの売り上げは急速な伸びを見せたのですが、そこからはコンビニでの売り上げが減少するようになりました。

そこで、「マールボロ」のメーカーであるアルトリアと、「キャメル」のメーカーであるレイノルズはコンビニ販売だけでなく、現在米国で急増している「ベープショップ」へ販路をシフトしようとしているのだとか。

この「ベープショップ」というのは、現在、米国では何千箇所も存在しているお店で、簡単に表せば「電子タバコ専門店」と言えると思います。

ここでは、電子タバコユーザーは電子タバコの中身が詰め替えられる「ベポライザー」というものを購入することが可能です。

ベポライザーには、アルトリアやレイノルズが販売している電子タバコ「シガライク」に比べて5倍以上も多い液体を入れることができ、電池も5倍以上もつ電子タバコです。

さらにベープショップでは、何百種類と言う電子タバコのフレーバーリキッドを大量に購入することもできるのです。

自分好みにカスタマイズできるベポライザーに圧されて、大手たばこメーカーの電子タバコは苦戦を強いられているのですが、こうしたことから米国のメーカーは海外への販売を強化したり(すでにリアル煙草において、他国とは流通関係があるので、取引がしやすいため)しています。

米国では電子タバコに関しても当局の規制がかけられつつあるので、米国での爆発的なシェアを見込めなくなったメーカーは、ますます海外へとシェア拡大を狙うとみられています。

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さて日本では?

日本でもJT(日本たばこ産業)などが新しい電子タバコを発売したりしていますが、やはりちょっと古参の電子タバコユーザーには海外製品を好む人が多いように見えます。

そうした状況で、米国の大手メーカーが電子タバコ販売に本腰を入れてきたので、日本での米国メーカー物は今後増えることが考えられます。

ただ、日本では電子タバコに関する体系的な規制は今はありませんが、WHO(世界保健機構)は「ニコチンなどを蒸気で吸い込む電子タバコに関する報告書」というものを発表しました。

これには、「健康への深刻な被害」として、電子タバコの未成年者への販売禁止や公共施設での使用禁止などの規制を勧告しました。

この発表は市場拡大を狙うたばこ業界には大きな打撃になるかもしれません。日本でも規制が出来る日は遠くないと言えます。

市場拡大は始まっていますが、まだまだその健康被害などに関して未知の部分も多い電子タバコですので、くれぐれも誤った使用や、過剰な使用は避けましょうね。