この記事を読むのに必要な時間は約 3 分です。
通常ヒトの染色体は23対46本と決まっていますが、ダウン症の人は染色体の内21番目が1対プラス1本あり、総数が47本になっています。
医学的にはこの状態を「21トリソミー」と呼びます。
ダウン症になる確率はどのくらい?
ダウン症が発症する確率は、人種や地域を問わず平均で1000人に1人です。
この確率は母親の出産年齢によって変わるという研究結果があります。数値は研究機関によって違いがありますが、母親の出産年齢が20歳前後なら1200~1500人に1人、それが40歳前後になると100人に1人にまで上がります。
現在の日本では、晩婚化に伴い出産年齢も年々わずかずつ上昇しています。
しかし考えてみると、40歳代で出産する人と比べて、20歳代で出産する人の数の方が圧倒的に多いのは間違いないので、全体では若い母親から生まれたダウン症の子供の数の方が多い事になります。
ダウン症の原因は?
ではダウン症を招く染色体の異常は、何が原因で起こるのでしょうか。結論から言えば原因についてはまだ分かっていません。
染色体の異常は特殊な現象ではなく、いつでも起こりうる遺伝子の複製ミスです。でも本来であれば異常な染色体を持つ遺伝子は、体内で生き残る事なく淘汰されてしまいます。
ダウン症の遺伝子は、何らかの理由で生命力が強いために生き残ると考えられます。生き抜く力という面では、強い生命体なのかもしれません。
ダウン症には出生前検査もあり、染色体の異常を調べたり、超音波検査や血液検査を組み合わせて異常を検出するようですが、異常を見つけられる確率は100%ではありません。
出生後は幼児の身体的・精神的特徴からダウン症と認められる事が多いようです。そして治療については、現在のところ有効な治療法は確立されていません。
ダウン症の有効な予防法は?
治療が困難だとすると、予防方法が重要になりますが、アメリカでは妊婦の「葉酸」摂取が推奨されています。葉酸とは、ほうれん草などの緑黄色野菜や果物に含まれるビタミンの一種です。
可能なら妊娠する前から、意識して葉酸を含んだ食品を摂取するか、市販されている葉酸サプリメントを利用する事が、ダウン症に対して予防効果があると言われています。
原因が分からず治療も難しいダウン症、高齢出産は確率が高いから子供は諦める、という夫婦の選択肢もあるようです。
でも40歳代でも確率は100分の1、ダウン症にならない確率は99%もあるのです。
こんな記事も読まれています