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肺がんになる原因として最も危険性が高いのは、ご存知の通り喫煙です。まずは喫煙の恐ろしさから、改めて認識していただきましょう。

肺がんの原因はやっぱりタバコ?

喫煙する人が肺がんになる確率は、非喫煙者の10倍以上と言われます。タバコの煙には発がん物質が50以上も含まれており、有害物質の数ともなると簡単には数えきれないほどたくさん含まれています。
タバコを吸って肺がんにならない方がおかしい、と表現してもいいくらいです。

また喫煙者の出す煙による「受動喫煙」の害も指摘されています。皮肉な事に、喫煙者はフィルターを通してタバコの煙を吸っていますが、その周囲の受動喫煙者は、フィルターを通さない煙を吸わされてしまいます。
もはや喫煙は喫煙者だけの問題ではないのです。

その他の原因には、以前問題になったアスベストや、粉塵や大気中の有害物質を長期間吸い込む事が考えられます。同じ環境でも肺がんにならない人もいるので、環境的要因に限られるものではないようです。

肺がんの手術治療

肺がんの代表的な治療法には、「手術」「抗がん剤」「放射線」の3つがあるのは他の種類のがんと同じです。
細かく区分された肺がんの種類とステージごとに、適切な組み合わせが決められています。ここでは各治療法の要点のみ説明します。

人間の肺は左右に1つずつあって、右肺は上葉・中葉・下葉に分かれ、左肺は上葉・下葉に分かれています。肺がんの手術は進行の度合いによって「標準手術」と「縮小手術」の2つから選ばれます。まだ初期段階のステージ1では、肺葉の中のがん組織とその周辺のみを切除する縮小手術が選ばれます。

病状が進行してしまった場合には、がん組織のある肺葉を全て取り除く標準手術が選ばれます。また転移を防ぐために周辺のリンパ節も一緒に切除する場合があります。

いずれの場合も完治の確率が高い治療法ですが、患者本人が手術に耐えられる体力を持っているかどうかが重要です。

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肺がんの抗がん剤治療

化学療法とも呼ばれる抗がん剤による治療で、点滴や内服薬でがん細胞の増殖を抑える方法です。通常は抗がん剤でがんの進行を止めておき、その間に他の治療法でがんを除去する方法が採られます。
がんによる痛みを抑えるのも、抗がん剤治療の大事な役割の1つです。

抗がん剤による治療では副作用が問題になる場合が多く、患者は吐き気や脱毛、手足の痺れに悩まされる事があるようです

肺がんの放射線治療

がん細胞に放射線を当てて破壊する治療法で、従来はがん細胞周辺の正常な細胞まで傷つけてしまう危険性がありました。
しかし治療装置の進化によって、がん細胞をピンポイントで狙えるようになり、安全性も効果もどんどん高くなっています。
放射線に反応する薬剤をがん細胞にだけ事前に投与して、がん細胞だけを完全に破壊する方法も開発されました。

これからの肺がん治療

最近注目されている新しい治療法に「遺伝子治療」があります。簡単に説明すると、がん細胞内の異常な遺伝子を正常に戻す事で、がん細胞自身を自滅に追い込む治療法です。
今後更に進歩すれば、新しい治療法の主流になるかもしれません。