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日本には決まった手紙の書き方があります。お中元に対する礼状も、基本的な手紙の書き方に合わせて書けば失礼にあたりません。では手紙の基本とは何なのか、まずそれが問題です。
最初に手紙を書くにあたっての、基本的なルールから確認しておきましょう。

基本は頭語と結語のセット

誰でも目にした事はあると思いますが、よほど親しい間柄でなければ、手紙は「頭語」で始まり「結語」で終わります。この2つの言葉は必ずセットで使われます。

一般の手紙であれば、「前略」と「草々」のセットと、「拝啓」と「敬具」のセットが良く使われます。
やや丁寧な手紙であれば、「謹啓」と「敬白」のセットなどが使われます。
これらの言葉は既に意味を考える必要はなく、こういうもんだと疑い無しで使って下さい。

他にも手紙の内容ごとに数多くの頭語と結語の組み合わせがありますが、お中元の礼状なら前の例に挙げたセットで充分でしょう。

挨拶文から本文への流れ

型通りの挨拶文なら、頭語の次には季節の挨拶が続きます。お中元は間違いなく夏なので、「盛夏の候、皆様にはつつがなくお過ごしの事と~」や、「日毎に暑さを増してゆくこのごろですが~」などの定型文で始めればいいでしょう。出だしは短めに、1文で充分です。

季節の挨拶に続けては、相手に対する気遣いや自身の近況などを軽く挟みます。あくまでも1つの型なので、本気になって身の上話を書く必要はありません。ここも1文で充分です。

ここまで書いたらやっと本文に入ります。ここで登場する便利な言葉が「さて」です。本文は贈っていただいたお中元に対するお礼の気持ちを、簡潔にまとめましょう。
「さて、この度はまことに結構なお中元の品をいただきまして~」などと、素直に喜ぶ気持ちを伝えます。

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知性がきらめく礼状とは

本文の後は結びの挨拶で全体を締め括ります。
「これから益々暑さが厳しくなりますが、お体に気を付けて~」などと、ここでももう一度相手の体調を気遣う心配りなどを散らしてみます。

さて、ここまで紹介したのは型通りの挨拶であり、インターネットで検索すれば、ほとんど出来上がった文章がすぐに使えるように用意されています。
しかし、それは相手側でも知っている事です。そっくりそのまま丸写しするのも、余りにも心がこめられていません。

冷夏なのに「暑さが厳しい折~」などと、場違いな挨拶になってしまう危険性も無くはありません。インターネットや本の文例を参考にするのは結構ですが、そこにいくらかでもオリジナリティを香らせたくはないですか?

今では完全に非日常になってしまった手紙の作法ですが、日頃からちょっとだけ興味を持っていれば、年に何回かは役に立つ事があるもんですよ。