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がんの中で、胃がんと肺がんの治療費についてまとめておきます。がんの治療には大きく分けて「手術治療」「抗がん剤治療」「放射線治療」の3つがあります。まずはそれぞれの治療における治療費の算定基準について見てみましょう。

がん治療費の基礎知識

手術治療では、切除する部位の大きさ(切除範囲)によって手術方法が違うため、治療費にも開きがあります。抗がん剤治療では、様々な薬を適切に組み合わせて治療を行うため、組み合わせごとに治療費が変わります。
放射線治療には、通常の保険が適用される治療法以外に、より効果が高いとされる陽子線や重粒子線による治療があり、その場合は先進医療とされて全額自己負担になります。
だいたい1回の治療あたり300万円程度かかります。

がんの種類による治療費の違いはありますが、それほど極端ではありません。
むしろ早期がんと進行がんの治療方法の違いが、治療費の違いを大きくするようです。

治療費の構成としては、手術や放射線治療を開始した時など、治療の初期段階に高額な費用がかかります。
その後は再発予防や治療目的の抗がん剤の使用にも、継続的にかなり高額の治療費がかかります。
治療中は入院が必要になりますので、目安としては1日約2万円(自己負担額約6千円)程度の入院費もかかります。

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治療方法によって変わる治療費

具体的な治療費については医療機関による違いがあり、また年齢や治療の詳細によって算定が変わってくるので、ここでは大まかな治療費だけを紹介します。

胃がんは早期がんの内視鏡手術から定型手術に至るまで、手術と入院費の総額で約20万円から約120万円まで、治療費にはかなりの幅が見られます。

抗がん剤治療は再発予防の目的なら1年間続けます。これが年間約100万円程度。手術できないがんを治療する目的なら、薬の組み合わせによって月に約10万円から約30万円程度です。
胃がんの治療では通常放射線治療は行われません。

肺がんの治療には放射線治療も含まれます。手術による治療の場合も含めて、入院費を合わせた総額で約100万円から約150万円前後の治療費がかかります。抗がん剤に関しては、胃がんの治療費を参考にして下さい。

実際の負担額はどのくらい?

がんの治療は高度な医療のため、治療費以外にも検査費などがかなりの額必要になります。治療費の概算と合わせると、治療を諦めてしまいそうになります。でもこうした治療費はほとんどが保険でカバーできます。また「高額療養費制度」を申請すれば、毎月の自己負担額から一定額以上は還付されます。

実際に自己負担する治療費は、最も高額になる1年目でも約10万円から約50万円程度です。
確かに他の病気に比べて、がんには高額な医療費がかかるイメージがありますが、治療を諦めるほど高額ではありません。もしもがんになってしまっても、まずは命が大事、安心して治療を受けて下さい。