現在アトピー性皮膚炎で悩んでいる人は約37万にとも言われており、治療を受けていない人や気づいていない人を含めるともっとたくさんの人がアトピー性皮膚炎の症状に苦しんでいると言われています。
また、小児アトピーと言って、子どもの頃アトピー性皮膚炎を罹患していた人は、季節によって肌が極度に乾燥したり、子どもの頃の「掻き傷」でできた色素沈着に悩んでいる人も多くいます。
アトピー性皮膚炎そのものは命を奪う病気ではないとはいえ、重症度のよると人前に出る事すら気後れしてしまい、日常生活に多大なストレスをもたらしてしまう病気です。
このページでは、アトピー性皮膚炎の原因や、改善に関わる情報、また現在の最新治療法など多岐にわたってアトピー性皮膚炎改善を考えていきます。
自分に合う方法を見つけて、少しずつでもアトピーにさよならしていきましょう!
そもそも「アトピー」ってどんな言葉?
日本では一般的にアトピーというだけで「アトピー性皮膚炎」を指す単語となっていますが、実はアトピーとは名づけられた当初は皮膚炎を指す言葉ではありませんでした。
医学界に「アトピー」と言う言葉が誕生したのは1923年です。場所はアメリカで、コーネル大学に勤務していたコカとクッカという研究者によって生み出された言葉なのです。
1923年と言うと、日本では関東大震災が起きた年で、大正12年のことです。
さて、このアトピーという単語ですが、コカとクッカの2人は、初めこの言葉を「一般的には見られない過剰な反応(過敏反応)」に対して使いました。
具体的な症状としては今でいうところのアレルギー性鼻炎や気管支ぜんそく、そして花粉症などに用いていたのです。
花粉症なんて本当に「一般的には見られない過敏反応」そのものですよね。今でこそ花粉症の罹患者は多いですが、きっと1900年代初頭はまだまだ罹患者は少なかったと思います。
こうした「ちょっと見慣れないアレルギー症状」に対して、この2人はギリシャ語の「アトピア(=見知らぬ・見慣れない)」を用いて言葉を当てたわけです。
アトピーは英語に訳すとstrange diseaseであり、日本語に直訳すると「見慣れない病気」ということになります。
つまり、そもそものアトピーは「今まであんまり見たことないなぁ」という症状に対してコカとクッカが付けたものだったのですね。
そして10年後の1933年、このアトピーと呼ばれるアレルギー反応のなかに、アレルギーによる皮膚疾患が加わることになりました。
1930年代と言う時代
1930年代と言う時代を考えると、ちょうど世界は第一次世界大戦が終結し、世界情勢が新たな局面を迎えていた頃です。1930年代の前の1920年代は世界大戦からの復興期であったと同時に、様々な技術が確立していった年代でもあります。
世の中の機械化はますます進み、燃料や資源確保に排煙や排水の問題もでてきていました。この流れを受け継いだ1930年代だったので、世の中はまだ「環境」を考えるより「先進化」を優先していたわけです。
そうすると、今までには見られなかったアレルギー反応を起こす人が増えてきても無理はありません。今程に食べ物に気を付ける必要はなかったかもしれませんが、確実にそれまでようり空は汚れ、水にも汚染が始まっていたのです。
労働も農耕中心の人が多いとはいえ、生涯を都市に暮らす人も出てきはじめ、人々の免疫力が少しずつですが、下がってきていました。このような時代背景をもとに、今まではアレルギー反応を起こす必要がなかったものにまでアレルギー反応を起こす人が増え始めたのです。
太古から、一定の割合でアレルギーを持つ人は存在したと思います。しかし、環境の良さや生活習慣によって食い止められていた症状が、生活の近代化で少しずつ表面化し始めた年代だったと思われます。
アトピー性皮膚炎に悩む人への治療研究が本格化してから80年、アトピー性皮膚炎についてはどこまでわかってきているのでしょうか。
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